モシュリンヌの小箱 5/28 Mon.
今回のフランス買い付けでなんだか気になって特によく目にとまったものの中にモシュリンヌの木箱があります。
ノスタルジーを感じるようなその風貌を可愛いなあと思いつつも、今まではもっと圧倒的な興味を引くものにちょっと控え目な存在感が負けてしまっていたのです。
1800年代前半から約100年にわたって、元はスコットランドで作られヨーロッパにお土産物という位置で広まった木箱。
他にもコインケース、アルバム、ソーイングセットといろいろなアイテムがあります。
最初はプラタナスの木で作られていたものが広まり、需要のためオリーブの木を使うようになっていったのだそうです。油分を多く含みしっとりとした木肌の味わいは手になじみ、時を経るごとにさらにつやを増しなんとも言えない表情になっていきます。
ちょっと花の色が枯れて落ち着き、たとえ少々はげてしまっていても昔をしのぶには格好のアイテムです。
で、日本にも同じようなアイテムが。
これ、前にも登場したことがあるのですが、幼い時一緒に出かけた伊勢神宮で今は亡き祖母が買ってくれたもの。花びらや葉っぱは描かれたものではなく薄い木片になっていて丁寧にはめ込まれています。
サイズといい用途といい、また丁寧な手仕事(お土産ものだというのに!)に同じ温かみを感じます。